【神を愛する、ということ】 申命記6章4節〜5節、マルコによる福音書12章28節〜34節

イエスは、ファリサイ派の律法学者の質問に答えて、「最も重要な掟」は、第一に全身全霊で神を愛すること、そして第二に隣人を自分のように愛することである、と、語りました。このみことばは、いわばキリスト教倫理の根幹を成す重要なものとして知られています。しかし、気をつけなければならないのは、人が往々にして自分勝手な思い込みから大きな間違いを犯す、ということです。肌の色や民族、宗教、あるいは主義、思想、性的な傾向の違いから、「この人たちは私たちの隣人ではない」と規定、断定して、差別や排斥をするような事態は、古今東西枚挙にいとまがありません。だからこそ、私たちは誤ることのない全知にして全能の神を愛する必要があるのではないかと思います。私たち人間の高みにあって圧倒的に超越的な存在を全身全霊で愛し、そしてその前にひれふすことで、私たちの傲慢さ、偏狭さは打ち砕かれ、反省と自戒と真摯な気持ちが与えられるのではないでしょうか。そのようにして神を愛し、讃える姿勢があってこそ、私たちは隣人とは誰か、隣人を愛するとはどういうことかという理解に至るのではないかと考えています。このように思いなしたとき、心底から神を愛すること、隣人を愛するということの困難さにも気づかされます。しかし、諦めることなく、神を愛し、隣人を愛する努力を怠らずに続けていきたいと、私は思っています。(役員奨励 小林和夫 記)